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自主学習ノート活用コンテスト[先生インタビュー]

洗足学園小学校にご協力いただき、夏休み期間中に自主学習ノート活用コンテストを開催しました。

対象学年
小学生(1~6年)
科目
自主・家庭学習

振り返りがしやすく見た目も美しいノートづくり

2年生担任 佐々木先生

 本校では、授業をはじめ様々な学びに1人1台タブレット端末のiPadを活用しています。それと並行してノートも使用し、書き方をきめ細かく指導します。大切にしているのは、あとで振り返りがしやすいノートづくりです。内容が分かりやすいようレイアウトなどを考え、見た目の美しさも意識して書くよう指導します。

 国語と算数は、1年生から学習内容をノートにまとめています。そして、教員が毎時間のようにノートを回収して理解度をチェックし、間違いも直します。特に1年生では丁寧に指導しています。集めたノートには、出来栄えによってスタンプを2~3段階に分けて押しています。いいスタンプをもらうと自信がつきますし、そうでない時はどこがいけなかったのかノートを見返してお直しにも取り組むようになります。また、次はいいスタンプをもらおうと、頑張るようにもなります。たくさんのスタンプを使い分けているので、次はどんなスタンプが押されているか楽しみにノートを確認してくれる子どもも多いです。

ノートがいっぱいになったらクラスで表彰

 正しい漢字の書き方や作文も、ノートを使って学びます。iPadを使用する際はペンシルを使うと字が乱れてしまいがちになるので、キーボードを使っていますが、入力ばかりでは文字を覚えられません。ノートに鉛筆で書くことも必要です。子どもたちは本校オリジナルの「日記漢字」ノートを用いて、毎日家で日記と漢字練習に取り組みます。漢字テストでは、漢字の読み書きを答えるだけではなく、漢字の意味や使い方を正しくとらえて短文をつくります。作文指導では、句読点をマス目に書き入れる時のルールなど基本をきちんと身につけさせていきます。

 ノートづくりは、達成感や意欲を引き出すうえでも有効です。私のクラスではノートが1冊終わったら表紙にシールを貼ってあげたり、花丸とともに何冊達成したのかを書いてあげたりして、全員の前で表彰します。算数は計算問題をノートにどんどん解き進めていく子どもが多く、ノートの残りが少なくなると、友だちとうれしそうに「ぼくはあと何ページで終わる」と競い合っています。国語では自分で調べたことをノートにたくさん書いてくる子どももいます。ノートがいっぱいになって表彰されると、みんなが「すごーい」と称えます。それが本人には誇らしく、その姿を見て「自分もがんばろう」と意欲を持つ子どももいます。お友だち同士でいい刺激になるのでしょう。

1年生から調べ学習や発表に取り組む

 調べ学習や発表にも日常的に取り組みます。そのための資料も校内に充実しています。たとえば、1年生の国語では「自動車くらべ」や、「くちばし」、「どうぶつの赤ちゃん」を教科書で読みますが、その中で子どもたちは、各自で好きなテーマを決めて調べ学習に取り組みます。資料となる図書は学級文庫や学校図書館にそろえてあり、家のインターネットで検索したり、保護者の方と一緒に最寄りの図書館で調べたりする子どもも多くいます。集めた資料から自分に必要な情報を選び、お友だちにわかりやすく伝えるようA4サイズのカードにまとめます。こうした活動も、見た目に美しく、分かりやすいノートづくりの成果になるのではないでしょうか。

 朝の会や帰りの会に、みんなの前で発表する時間も設けています。身近な話題に触れたり、好きなことについて話したり、テーマは自由です。自分で撮ってきた写真を用いて発表する子どもも多く、また自分の調べたことを2~3枚の用紙にまとめて書いてくる子どもも何人もいて、それを見て自分もやってみようと意欲を抱くようになります。やはり、お友だちの影響はとても大きいと思います。こうした小さな発表を経験していくうちに、1年生の終わりごろになると、授業での学びをきっかけにさらに自分で調べてきて「みんなに見てもらいたいです」と積極的に発表する子どもが出てきます。また、これから学ぶ新しい単元に関することを調べてきて、発表したいと言ってくる子どももいます。このような日常的な活動のほか、夏休みの自由研究や、その発表会も行っており、子どもの意欲的な姿がいろいろな場面で見られます。

自ら意欲的に取り組む子どもを育てる

 子どもたちが調べ学習や発表に取り組むなかで誕生するのが「○○博士」です。クラスにはいろんな「博士」がいます。
 今回のノート活用コンテストで最優秀だった子どもは「恐竜博士」です。夏休みをかけてずっとノートづくりに取り組み、1冊では足りずに買い足したそうです。その結果力作ができあがりました。様々な恐竜図鑑をはじめ、複数の資料から調べたことを自分なりに整理し、一つにまとめています。そのまとめ方も、「ジュラ紀」など自分の知りたい情報を、見やすく書いています。それだけでなく、みんなにも知ってほしいという気持ちがこの工夫いっぱいのノートに表れていると思います。

 この子どもは授業でも質問や発表などに意欲的です。今回のコンテストで表彰された子どもはみんなそうで、様々な分野に興味関心が高いです。何か一つ自分の好きなことがあると、ほかのことにも興味を持つようになります。どんどん興味関心の枝葉が広がっていくのだと思います。また、「これだけはお友達に負けない」というものができると、クラスの中で自分のポジションが確立でき、自信や他の取り組みの意欲にもつながります。夢中になれることや得意なことがある子どもは大きく伸びていきます。


 自ら意欲的に取り組む子どもを育てるために、本校では一人ひとりの知的好奇心を大切にしています。どんなものでも子どもが知りたいことを尊重し、自由に学ばせてあげるほうが、どんどん自分で調べたり、まとめたりしながら知識を身につけていくと思います。一つのことに興味を持つと、そこから様々な情報が入り、また新しい興味が湧いてくるものです。だから各自のノートまとめなどでは、授業でまだ習っていない漢字も積極的に使っていいことにしています。そうすると、漢字の植物名を全部調べたとか、色々な動物の名前を漢字でどう書くか調べたとか、子どもたちの多様な取り組みが見られるようになります。自由研究で世界の国名を全部漢字で書いてきた子どももいます。興味を持ったことを深く掘り下げていく子どもはノートもよく書きます。

 本校ではこれからもノートとiPadのそれぞれのよさを学びに活かしながら、一人ひとりの知的好奇心や意欲を大切にし、積極的に自ら学ぶ子どもを育てていきます。

撮影協力
洗足学園小学校
〒213-8580 神奈川県川崎市高津区久本2-3-1
TEL 044-856-2964
https://www.senzoku.ed.jp/

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